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TOP  >  日記  >  mikiochiba  >  デキゴトロジー  >  NHK の「クローズアップ現代」で

mikiochiba さんの日記

 
2011
9月 14
(水)
12:14
NHK の「クローズアップ現代」で
本文
 先日、NHKの「クローズアップ現代」という番組で釜石市の復興計画を取り上げていた。

 ちょうど自分と空の夕食の準備をしていてじっくりとは見れなかったが、あの地形――低くはあるが急峻な山々が海に迫っていて僅かな平地がへばりついているような――で、どのような街造りが行われるのだろう? という想いは持っていた。

 昭和の大津波で唐丹では高台移転が行われた。

 当時の我家は崖の下にあって津波に流された。それで、高台に移転。崖の途中に作られた道の両脇に民家が並ぶ小白浜の家並みが形成されたのだ、と聞いている。

 高台移転は津波に対しては有効だが、今回の震災では高台移転したところにも被害が及んでいる。この点は重要で、
「何か対策したからといって必ずしも万全ではない」
 という問題意識を忘れてはならない。

 さらに、高台移転した場合、仕事の場である浜との間に必ず坂道が存在することになる。この「坂道」というのを軽視するのは禁物だ。

 実際、私の生家のすぐそばに「郵便局の坂」と呼ばれた坂道があった。桟橋から一直線に伸びた道で、かなりの急勾配。
「この坂を走って降りるな!」
 と、注意された。

 勢いがつくと止まれなかったし、冬には凍る。坂の途中にある親戚(屋号はながね)の小母さんはここで転んでケガをし、足を切断しなければならなかった。

 だから繰り返し注意されていたのだが、番組では街の復興計画のため東京・渋谷在住のデザイナーからの「美しい坂道」というコンセプトの提案が報じられていた。

 ボランティアだという。

 彼の「何とかしたい」という気持ちには感謝するが、はっきりいって「何をバカな!」という思いが禁じえない。

 彼は釜石市の実像・実態を理解していないのではないか?

 ここは高齢化が進んでいる。公共交通などの便も悪い。

 ということは、若い人ばかりでなく、老人も荷物を持って坂道を登り降りすることになる。これがどれほどの負担になるか。

 ましてや冬は凍結する。この危険性は?

 といった点を全く考慮していないのだ。

 他の土地では可能であっても、地形や気候条件が異なれば不可能になる。つまり、条件が違えば自ずと結論は変わってくるのだ。論理的帰結である。

 そういうことで、好意には感謝しつつも、彼の提案には反対である。

 もっと彼の地の条件に合った提案をお願いしたい。

  



 

閲覧(27788)
投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。

投稿者 スレッド
NAKADA
投稿日時: 2011-9-16 8:55  更新日時: 2011-9-16 8:55
Quite a regular
登録日: 2011-7-21
居住地: 宮城県仙台市
投稿数: 59
 RE: NHK の「クローズアップ現代」で
 パソコン故障で3日間情報源は新聞とテレビだけの生活をしてみて同様な感想を持ちました。

 「地元の事は地元の人間が一番知っている」、「地元の人間を無視して何が復興だ」、「俺たち地元の人間にやらせろ」、これが私が関わった被災者から聞いた言葉です。

 高台移転は、早くても2年先、被災した土地は公示価格の7割で自治体が買い上げるが建物は、公的支援の300万円以外は個人負担。

 収入源を失った被災者には遠い所の絵空事でしかないように感じています。

 これからは、被災者が生活の糧を得られる支援が最優先課題なのに行政もマスコミも違った視点になっているように思えてなりません。

 三陸沿岸部分は特に中心産業である漁業復興が早期の被災者の自立につながるはずなのに、現状はまったくと言って良いほど漁業再開は進んでいません。


 
返信

投稿者 スレッド
mikiochiba
投稿日時: 2011-9-16 9:34  更新日時: 2011-10-11 21:55
Just can't stay away
登録日: 2011-6-13
居住地:
投稿数: 148
 RE: NHK の「クローズアップ現代」で
 同感です。

 何とはなしの「違和感」。現地との間にそのような感覚のずれが生じてきている。

 このずれは時間と共に大きくなってくるような気がしています。
  
返信



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