今日の夕方、空（シーズー）のホームグラウンド松葉公園に福島県浪江町からの避難者（仮に『ｋさん』という）が来ていて、雪ちゃんの飼主Ｓさんと話していた。練馬区光が丘の避難所が閉鎖され、次の行く先がないまま放り出されたのだという。
　実は数ヶ月前にもここに来て、Ｓさんご夫妻に世話になっていた。この話は聞いていたのだが、台東区役所から光が丘の避難所を紹介されたということで解決済みと思っていた。それが……。
　Ｋさんは３月11日、地震直後の津波警報で避難を呼びかけられ、着の身着のまま父親と逃げた。その数日後に浅草にやってきて、Ｓさんの奥さんと遭ったのだ。
　津波で家が流された。そのため健康保険証など「自分を証明するもの」がない。それがｋさんの避難生活を困難ならしめている。「お役所仕事」の典型的な対応に振り回され、義援金などももらえていない。加えて、一緒に逃げてきた父親が行方不明。自殺が心配されている。
　このようなケースはｋさんに限らない。支援の網の目から零れ落ちた方々が数多く存在している。
　ｋさんはいう。
「首相が一言『払ってやれ』といえばいいんです」
　私はかなり以前から「判例主義・前例主義が日本を滅ぼす」と公言している。その典型が「お役所仕事」である。主権者たる国民のことを考えず、「わが身第一」という対応を取る。政治家を含め、今の日本で機能していないのは「税金から給与その他が支払われている輩」と考えている。――そういえば、ある国会議員の面前で同じことを話したら、かなり嫌な顔をしていた――それでも我々は彼らのパフォーマンスを冷静に観察し、必要ならペナルティーを科すべきであろう。